本当は配偶者へ伝えたい言葉を、子どもにぶつけてしまうことは多々ある

オトナになっても、社会人になっても、独立しても、子どものころに親に言われた言葉がずっと癒されない傷として心に残っている・・・ということはありませんか?

私にも、ありました。

子どものころ、酔った母に何度か言われた言葉。

・「お父ちゃんは、あんた産まれたとき、『なんで女なんか産むねん』って言って、病院に見にもけえへんかってんで」

・「お父ちゃんは、昔近所におった子どもおらへん夫婦に、あんたのこと養子に出そうと思っててんで」

・「かわいそうに、あんたはやっぱりいらん子や」

…ずっと心の傷として残っていました。

あるとき、あるカウンセラーにこの話をしたところ、こう言われました。

「それは、その言葉は、お母さんは、本当はお父さんに伝えたいことだったのかもしれないね。
だけど、お父さんには言えないから、一番弱い存在のあなたに向かっちゃったんだ」

そのカウンセラーのその言葉を聞いて、私は長い悪夢からハッと目が覚めたような気持ちになりました。

そうか、母は、本当は父に言いたかったんだ。

「なんで病院に見に来てくれなかったの?あなたの子どもなのに」
「なんで私のことをもっと労わってくれなかったの?」

そのほかにも、父に対して言えないこと、傷つけられたことが、いろいろあったのでしょう。

でも、父には言えないから、代わりに私に言った。
とてもゆがんだ形で。

このことが理解できると、母親と父親、そして母親の私に対する暴言への感じ方が、大分変わりました。

母親も父親も、ひとりの弱い人間なんだ。

そして、親の言葉は、必ずしも真実ではないし、絶対でもないんだ。

そう感じるようになったのです。

心理学への学びを深めていくと、実際に、本当は配偶者に伝えたい言葉が、子どもへ向かってしまうことは多々あることが分かります。

本来は夫婦間でするべき喧嘩を、親子間でやっていることもあります。

人間関係において、怒りや悲しみの感情が、本来その人が伝えるべき相手に向かって正しい形で伝えられることは、意外と、とても少ないのです。

親からの言葉は、必ずしもあなたがダメな人間だから、あなたが悪いから発せられたわけではない、ということです。

かつての私のように親の言葉を心の傷として残している人は少なくないと思うのですが、そういう方は、このことを知っておくと、子どものころ親に言われた言葉に対する感じ方が、少し変わるのではないでしょうか。

少しでも認識が変わってくれれば嬉しいです。

また、今、子どもを産んで、母親や父親の立場になっている方の場合、

「今、子どもに対して言おうとしているこの言葉は、自分が本当は配偶者に伝えたいことを言おうとしていないか?」

を考え、立ち止まるきっかけにしてくれれば幸いです。

※過去にアメブロと旧HPに掲載した記事を再掲しています。

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